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前回の記事で、私は村上世彰氏を「不道徳」として批判しました。その村上氏が率いるファンドに1千万円を委託していたとして、今度は日銀総裁の福井俊彦氏が非難されています。はてさて、妙な方向へ話が飛んでしまいましたね。 世の中には不道徳な人間もいます。前回の記事で私の念頭にあったのは、村上氏個人に対する嫌悪というよりも、不道徳を不道徳と思わなくなった風潮への危惧です。別に「汗水流す労働」以外を否定しているのではありませんし、株式投資を不道徳と思っている訳でもありません。証券市場には、世の中に貢献する企業を生み育てる役割があり、また多くの者の目で吟味され、的確な株価を決める機能もあります。世の中に大いに貢献しており、無くてはならないものです。 「金儲けは悪いことですか?」という言葉からは、村上氏は証券市場の、こういった道徳的・社会的意義を忘れ、私欲に走ったとしか思えませんでしたので、「不道徳」として批判しました。一方、福井氏の問題に関しては、「不道徳」というよりも、「法の不備」に問題があるような気がします。 古今東西、指導者となる者は有徳者でなければならず、徳治主義のはずで、少なくとも不道徳な者は指導者にはなれません。有能かどうかは別にして、山崎拓氏もコレ(小指)で議員辞職しましたし、古くは宇野宗佑元首相も、確か女性問題で辞任してしています。米国でも「不適切な関係」とやらで、大統領にスキャンダルがありました。まぁこちらは辞任にまではなりませんでしたが…。 「英雄、色を好む」ともいわれますが、元来、指導者の能力と女性問題とは別なはずです。しかし徳治主義ではそうもいきません。いくら有能だからと言っても、不道徳者の行う政治など、誰も信用しないからです。先の国会では、100以上の法案が審議される予定だったそうですが、国民はその全てをチェックすることは出来ません。又、国会が開かれる度に選挙がある訳でもありませんので、適宜対応してくれそうな、少しでも徳のありそうな政治家を選んで信用するしかないのです。 こういった徳治主義からすると、福井総裁はどうなのでしょうか。村上氏の理念に賛同して委託したそうなので、村上氏と同種の不道徳者かもしれません。しかし、村上氏の理念が世の為人の為になると思い「私欲ではない」という趣旨のことを言っていました。大変に嘘っぽいのですが、ただ、「世の為人の為の経済活動」という伝統的な価値観が世の中にあると感じていて、だから無自覚ではあっても、その価値観に訴えようとしたのでしょう。こういった価値観の存在を無自覚ながら信じているようで、「金儲けは悪いことですか?」とは違い、「不道徳」とは言い切れません。伝統的な価値観について無知・無自覚であるだけのように思います。だから奇麗事を並べる理念にコロッと騙された(損益ではなく)のかもしれません。これでは日銀総裁として心許ないのですが、辞任するほどの「不道徳」とは思えません。 しかし福井総裁には、別の道徳律に反した疑いがあります。「地位を利用して私服を肥すことは悪」という道徳律です。そこが村上氏と福井総裁の違いです。又、村上氏は私人で、だから逮捕されようがされまいが、不道徳者として社会的制裁を受けるべきですが、福井総裁の場合は公人で、その公人の立場を利用して私服を肥やそうとしたのであれば、社会的制裁だけではなく、法的制裁が必要です。そしてそのようなことが起きない様な制度も必要でしょう。今回の場合は法的制裁もできず、また未然に防ぐ制度もありませんでした。 マスコミや野党は福井氏に対して、「幾ら儲かったか教えろ!」と息巻いていますが、幾ら儲かっていようと損していようと、この問題とは関係ありません。これでは稼いだ者への、ただの醜い嫉妬です。「ゼロ金利政策で、庶民の利子利益である300兆円を奪っておいて、その政策で上昇した株式で大儲けしてやがる」という論調のようで、おかしな話です。経済問題には疎いのですが、少なくとも、個人の利益の為にゼロ金利政策を行っていた訳ではないでしょう。問題は前述のとおり、地位を利用して私服を肥やそうとしたかどうかで、損益は問題ではありません。 まぁマスコミや野党は、私服を肥やそうとしたことに関しての状況証拠として、儲けを知りたいのかもしれませんが、そのことのみに矮小化すべきではありません。第一、思惑が外れて損をしていたら問題ではないのでしょうか、そんなことはないはずです。冒頭で書いたように、世の中には不道徳な人間もいるのですから、非難するばかりではなく、このような事態を未然に防ぐ制度の確立が必要です。 私の感想としては、徳治主義の観点からして、疑いを掛けられること自体が問題だと思います。徳治主義の根本は、有徳者が指導者になることではなく、国民からの信頼が根本です。福井氏がどの様な方であったとしても、疑いを持たれ、信用を失ってしまったのであれば、やはり辞任すべきでしょう。ただ、信頼を回復しようとする福井氏の弁明を聞くことも必要です。 ただ「辞任すべき」とは言っても、マスコミや世論、野党などが辞任要求するから止めるのでは、超法規的措置のような感じもして、恐ろしいような気もしています。超法規的措置とは反法治主義だからです。日銀は政府からは独立していますが、マスコミや野党からは独立していないような構図にもなり、できれば今回の場合、世間が静まってから、ご本人の判断で辞任されることを望みます。 そして今後の問題として、この様な事態を未然に防ぐ為、法律や制度を整備する必要があります。完全な法律や制度はありませんので、その都度改正していくしかありません。その場合、このブログでは何度も書いていますが、明治以来の、西洋の理論と日本の価値観の乖離がないようにお願いします。法治主義を取り入れた以上は、事が起きた時には超法規的措置など取らず、その時は我慢し、今後は同じことが起きないように、法を自分達の価値観に近づけていくべきです。 それでも明治時代には、自分達の文化・価値観に誇りを持っていたようで、「和魂洋才」がスローガンとして挙げられました。現在では自分達の価値観について、福井総裁と同様、無知・無自覚です。その様な状況で国際化などと言えば、たちまちホリエモンや村上氏などの理念に引っ張られ、伝統的価値観から程遠いものになってしまいます。 証券市場にしても、小泉政権になってからは随分と規制緩和が進んだそうですね。私は細かなことは知らないのですが、それでも思うことは、「自由競争」とか「公正・公平」ばかりではなく、労働観や、その労働の集約された企業のあり方、そしてその企業を生み育てる証券市場の道徳的・社会的意義を考慮し、グローバリゼーションとの調和を模索して、法律や制度を作って欲しいものです。
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民意を僭称するな>民主党の老害・渡部恒三
民主国対委員長、「国民感情許さず」と日銀総裁批判 民主党の渡部恒三国対委員長は17日午後、福井市内で開かれた党会合で講演し、福井俊彦日銀総裁の村上ファンドへの投資問題について「銀行にお金を預けても(低金利で)一銭ももうからない時に、日銀総裁が1000万円預けて何百万円ももうけた。これは国民感情が許さない」と厳しく批判した。 問題追及に向けては、国会閉会後も質疑を行える閉会中審査を求めた上で「国会(会期)は終わったといわれるが、これから本格的に始まる。年金問題や防衛施設庁談合事件を含... ...続きを見る |
溶解する日本 2006/06/19 20:49 |
49%が「日銀総裁辞任を」 福井氏、村上ファンドで
共同通信社が17、18の両日実施した全国電話世論調査によると、村上ファンドへの1000万円の投資が判明した日銀の福井俊彦総裁の進退について、49・2%が「辞任した方がよい」と回答した。 福井総裁が、総裁就任後も投資を続けていたことについては62・4%.... ...続きを見る |
東急リバブル・東急不動産不買運動 2006/06/19 21:44 |
10-01 損益計算書とは? その1 【でたらめ簿記2級独学勉強法】
10-01 損益計算書とは? その1 【でたらめ簿記2級独学勉強法】 ...続きを見る |
簿記2級独学勉強法−簿記2級の勉強?問題... 2006/06/24 11:48 |
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北方領土の日
Takeshima is Japanese Territory.